出力はもう無理だから、傾いてスピード上げる。 - クラウドナインスタジオ OFFICIAL BLOG

こんにちは、登戸店のドラマー兼鉄オタです。

あくまでも登戸店内での話なのですが、最近の登戸店のブログは”欅坂オタク”と”鉄オタ”とたま～に普通の内容がループしております。なので、本日は鉄道色が強めでございます。

・店長の一言から始まった...

バイク好きの登戸店店長ですが、鉄道に乗るならということで「こんなのに乗りたい」と言っていたので、ここでかる～く・超簡潔に解説しておこうかなと思います。

ざっくり、車体が傾く列車に乗りたいとのことでした。

（完全にバイクから来てる感満載だな～...）

車体が傾く列車というのは、車体傾斜式車両と言い、基本的には特急列車などの高速化に用いられている技術です。これに加えて、軌道の強化も併せて高速化が可能になります。

（そのシステムには、自然振り子式・制御振り子式・空気ばねなどがありますが、ここでは割愛...。）

バイクがカーブの多い道路を走行している際に、車体と身体を傾けてスムーズに走行しますよね。この時、スピードもそこまで落とさずに走行していくはずです。

逆に直立かつ高速で曲線を走行していたら遠心力などが大きく働き、横転などの危険な事故に繋がります。とっても怖い。

これは鉄道も同様で、高速で曲線への進入は大変危険かつ重大な事故が起きる可能性があります。なので、曲線の線路には「カント」と呼ばれる傾斜があらかじめつけられていることが多く、車体を傾けて走行させます。これによって曲線通過速度を向上させつつ、高速走行でも脱線を防ぐ技術の一つであります。

・120km/hで路地裏をかっ飛ばすことで有名な京浜急行電鉄の一例

はまレポ.com「京急電鉄能見台駅はなぜカーブ上に駅のホームがあるのか？探ってきた！」より引用

https://hamarepo.com/story.php?page_no=0&story_id=7042&from=

結構傾いてますよね。これによって優等列車がそこまで速度を落とさずに通過していきます。でも普通列車が駅に停車している際は、とんでもなく傾いているのです...（笑）

これでも曲線で速度を出したい・落としたくないやつらは、もっと傾けないといけないのです...。さらに意図的に車体を傾ける必要性がありますね。

・簡単な背景について

日本国内では戦後の近代化に伴って都市間輸送の所要時間の短縮が求められ、新幹線の開発など目まぐるしい発展を遂げておりました。当時は飛行機も高価で、今のような高速道路網や高速バスは整備されておりませんでした。

一方で日本の在来路線は、地形の問題から曲線が数多く存在し、その曲線での減速や低速での通過が速達化・短縮へのネックとなっておりました。路線の直線化・新しいトンネル開通・スイッチバック廃止なども行われましたが、莫大な費用と時間がかかるんですよね...。

そこでモーターの出力増大はもう無理ゲー！だったので費用を抑制しつつ曲線の高速化を目指して、遠心力への対策が必要となりました。そこで車体傾斜装置を開発・搭載し、併せて軌道を強化することにより高速で通過することを可能にしました。これによって特急列車の速達化に成功し、所要時間の短縮に貢献しました。

しかし、満を持して1970年代に初めて振り子列車として登場した381系では、振り子の起動や軌道との関係もあり、乗り物酔いに合う乗客が続出...。ここから車体傾斜装置は改良・新技術の開発がなされ、今に至っております。

そんな381系もまだ現役ﾅﾝﾃﾞｽｹﾄﾞﾈｰ...（笑）

いまでも車体傾斜によって酔う人はいると思います...。僕もたまに酔います...。

・関東圏を走る傾く列車一例

・JR東海東海道新幹線 N700系

・JR東日本中央東線あずさ・かいじ号 E353系

・小田急電鉄 VSE 50000系